教育・学習

小学校でのプログラミング必修化は本当に必要?メリット・デメリットを徹底検証!

未来を担う子どもたちに、プログラミングを学ぶことが必要とされる現代社会において、小学校でのプログラミング必修化が注目を浴びています。
STEM教育を推進する一環として、プログラミングを身に付けることは、論理的思考力やコミュニケーション能力など、今後の社会に必要不可欠なスキルを身に付けることができます。
しかしながら、教師のスキルやカリキュラムの構築、学習意欲の差など、様々な課題があります。

本記事では、小学校でのプログラミング必修化について、メリットやデメリットを解説すると共に、教育現場がどのように取り組んでいるか、政府の支援策などを紹介します。
さらに、今後の取り組みについても考察し、小学校でのプログラミング必修化が未来を切り拓くための必要な教育である理由について、深く掘り下げていきます。
未来を担う子どもたちにとって、興味深く、役立つ情報が満載の記事です。

小学校でのプログラミング必修化について/STEM教育とは?

2020年代に入ってから、小学校でのプログラミング必修化が注目されています。
この取り組みは、今後ますます求められるSTEM教育に取り組むことを目的としています。

STEM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとったもので、これらの分野を総合的に学ぶことで、未来の社会を担う子どもたちに必要な能力を育成する教育の一環です。
小学校でのプログラミング必修化は、このSTEM教育の一環として取り組まれています。

まずは、小学校でのプログラミング必修化によるメリットについて考えてみましょう。

プログラミング必修化のメリット

2020年代に入ってから、小学校などでのプログラミング必修化が進んでいます。
プログラミング必修化は、今後ますます重要性が増すSTEM教育の一環として導入されており、注目されている分野です。
プログラミング必修化には、以下のようなメリットがあります。

1. 論理的思考力が身に付く

プログラミングは、プログラムを書くためのコードを組み合わせる作業です。この作業は、論理的思考力を養うことにつながります。
プログラムを書くためには、コンピュータに伝える指示を細かく分解して考える必要があります。
そのため、論理的思考力を養うことができます。

また、プログラミングを学ぶことで、問題を解決するために必要な情報を整理し、それをコンピュータに正確に伝える能力を身に付けることができます。
情報の整理能力は、学習以外でも日常生活やビジネスにおいても非常に重要なスキルであり、将来的に子どもたちが活躍する場面で役立てることができます。

2. コミュニケーション能力が向上する

プログラムを書く際には、複数人で協力して作業を行うことがあります。
その際には、誰がどのような作業を行い、どのようなタイミングで作業を行うかを明確にコミュニケーションする必要があります。
プログラミングを通じて、子どもたちは自分の意見を伝えたり、他人の意見を聞いたりすることができ、コミュニケーション能力を養うことができます。

また、プログラミングを学ぶことで、コンピュータがどのように動くかを理解し、コンピュータとのコミュニケーションに慣れることができます。
これらの能力は、将来的にビジネスや社会人として活躍する上で必要不可欠なスキルであり、子どもたちにとって有益なものとなります。

3. IT業界に必要なスキルを身に付けることができる

現代社会では、IT技術を使って業務を効率化することが求められています。
プログラミングを学ぶことで、IT業界で必要なスキルを身に付けることができます。
プログラミング言語にはさまざまな種類があり、一般的にはスクラッチ、Python、JavaScriptなどが使われます。
これらの言語を習得することで、IT業界で求められるプログラミングスキルを身に付けることができます。

また、プログラミングを学ぶことで、自分でアプリケーションやウェブサイトを作成することもできます。
これは、将来的に独立して起業する場合や、創造的なスキルを持った人材として、IT業界での就職やビジネスに役立てることができます。

4. 資格取得にも有利

プログラミングを学ぶことで、様々な資格取得にも有利になります。
たとえば、マイクロソフトのMOS資格(Microsoft Office Specialist)は、Word、Excel、PowerPointなどのオフィスソフトウェアのスキルを認定する資格ですが、プログラミングスキルを持っていると、より高いレベルの資格を取得することができます。

また、情報処理技術者試験も、プログラミングスキルが必要とされる資格の一つです。
これらの資格は、就職やキャリアアップにおいて有利に働くため、プログラミング必修化は、子どもたちの将来において大きな武器となります。

以上のように、プログラミング必修化には多くのメリットがあります。
論理的思考力やコミュニケーション能力の向上、IT業界での就職やビジネスに役立てるスキルの習得、資格取得にも有利といった点が挙げられます。
今後ますます重要性が増すSTEM教育の一環として、プログラミング必修化が普及することで、子どもたちの未来を担う人材が育成されることが期待されます。

プログラミング必修化のデメリット

小学校でのプログラミング必修化には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
以下では、主なデメリットについて解説します。

1. 教師の資格やスキルが必要

プログラミングを教えるためには、教師がプログラミングの知識や技術を持っている必要があります。
しかし、現在の教育現場において、プログラミングを教えることができる教師はまだまだ少ないのが現状です。

また、教育現場でのIT機器の運用やメンテナンスも必要となり、教育現場のIT化にはコストや時間の面での課題があるといえます。
このような課題を解決するためには、教師のプログラミングスキルを向上させるための研修や支援が必要となります。

2. 適切なカリキュラムの構築が必要

プログラミング必修化にあたり、適切なカリキュラムを構築する必要があります。
プログラミングのみならず、情報リテラシーや倫理観なども含めた教育が必要とされます。
しかし、これらのカリキュラムを作り上げるには時間と労力が必要であり、教育現場に負担がかかることが考えられます。

また、プログラミングの技術は常に進化しており、適切なカリキュラムを作り上げるためには、教育現場が最新の情報を収集する必要があります。

3. 学習意欲の差が出る可能性がある

プログラミングには、論理的思考力やコミュニケーション能力が求められますが、これらのスキルを身に付けることが苦手な生徒もいます。
そのため、学習意欲に差が出る可能性があり、その差を埋めるためには個別対応が必要となります。

また、プログラミングに取り組むには、コンピューターやタブレットなどのデバイスが必要となるため、生徒の家庭環境によっては学習環境に差が生じることもあります。
学習環境の差を埋めるためには、学校側が十分な支援を行うことが求められます。

4. 評価方法が難しい

プログラミングの学習においては、コンピューター上でプログラムを作成することが多いため、評価方法が難しいという課題があります。
従来の教育とは異なり、答えが一意に決まるわけではないため、評価基準を設定することが難しくなることがあります。

また、プログラムの作成にあたり、生徒の創造性や発想力が問われることがあるため、評価基準を明確にすることが求められます。

5. 他の教科の時間割が犠牲になる可能性がある

プログラミング必修化にあたり、他の教科の時間割が犠牲になる可能性があります。
現在の小学校のカリキュラムでは、算数や国語などの教科が中心となっており、それらの教科の時間を削ることが難しい場合があります。
そのため、プログラミング必修化に伴い、教育現場全体のカリキュラムを見直す必要があります。

プログラミング必修化の取り組み

プログラミング必修化の取り組みには、以下のようなものがあります。

1. 国の方針

2018年の文部科学省の「小学校プログラミング教育の推進について」では、小学校においてプログラミング教育を必修化する方針が示されました。
この方針は、小学校の児童にSTEM教育を導入し、IT技術を活用した問題解決能力や創造性、コミュニケーション能力を身に付けさせることを目的としています。

また、この方針に基づき、2020年度からは小学校5年生以上を対象に、プログラミング教育の必修化がスタートしました。
具体的には、教育課程において、プログラミングの基礎知識やコーディング技術を身に付ける時間が設けられ、実際にコンピューター上でのプログラミング作業が行われることになります。

2. 学校の取り組み

小学校におけるプログラミング教育は、学校ごとに取り組み方が異なります。
一部の学校では、授業の一環としてプログラミングを学ぶ取り組みが行われています。

また、プログラミング教育の時間を設ける学校もあります。
これらの取り組みは、教師や学校によって進め方が異なるため、教育の質に差が生じることがあります。

一方で、習い事や塾など、学校以外の場所でもプログラミングを学ぶことができる場所が増えてきています。
これらの場所では、より専門的な指導を受けることができるため、子どもたちのスキルアップに役立つことが期待されます。

3. 政府の支援

政府は、小学校におけるプログラミング教育を支援するため、IT企業との連携を進めています。
例えば、IT企業が提供するプログラミング教材の無料提供や、IT企業の社員が小学校でのプログラミング教育に参加するなどの取り組みが行われています。
これらの取り組みにより、小学校でのプログラミング教育の質の向上が期待されています。

4. 学校外での活動の推進

小学校でのプログラミング必修化に伴い、学校外でのプログラミング活動が推進されています。
例えば、プログラミングキャンプやコンテスト、クラブ活動などがあります。
これらの活動は、学校内でのプログラミング教育と補完的に位置付けられ、より深い学習や実践的な活動が可能となっています。

5. 海外の取り組みとの比較

プログラミング必修化は、日本だけでなく、世界各国で取り組まれています。
例えば、イギリスでは2014年から小学校においてプログラミングを必修化し、オーストラリアや韓国でも導入が進んでいます。
これらの国々では、教育カリキュラムにおいてSTEM教育が強化されており、小学校からSTEM教育に重点を置いています。

まとめ

本記事では、小学校でのプログラミング必修化について、そのメリットやデメリット、取り組みについて解説しました。
プログラミング必修化は、IT社会において必要なスキルを身に付けることができるとともに、論理的思考力やコミュニケーション能力を養うことができるというメリットがあります。

しかし、教育現場の課題や学習意欲の差などのデメリットも存在します。
今後も、プログラミング必修化が進む中で、適切なカリキュラムや教育環境の整備が求められていくことでしょう。

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